ライオン・知られざる生態

ライオン・知られざる生態

Truth About Lions Ep.1-2

放送局:BS朝日
放送日:2011年10月20日(木)、21日(金) 午後8時~「BBC地球伝説」にて放送

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群れの謎
野生のネコ科の動物の中で唯一、群れで暮らすライオン。動物学者のジョナサン・スコットが、なぜライオンだけが群れで暮らすのか、その謎に迫る。

ジョナサンは、タンザニアのセレンゲティ国立公園で“セレンゲティ・ライオン・プロジェクト”を指揮するクレイグ・パッカー教授のもとを訪れ、彼の見解を聞く。さらに、群れが長く繁栄するためには、獲物が豊富な地域に縄張りを持ち、その縄張りを維持していくのが不可欠だということも明らかにしていく。
動物学者のジョナサン・スコットは、今から30年以上前に初めてケニアのマサイマラ国立保護区を訪れて以来、“マーシュ・プライド”と呼ばれるライオンの群れの観察を続けている。ジョナサンは、ネコ科の動物の中で、なぜライオンだけが群れで暮らすのか、その謎を解き明かしていく。協力者となったのは、タンザニアのセレンゲティ国立公園で、“セレンゲティ・ライオン・プロジェクト”を指揮するクレイグ・パッカー教授。クレイグは28の群れを対象に、ライオンが群れを作る理由だとされるさまざまな仮説を検証した。
これまで、ライオンが群れを作るのは集団で狩りをした方が有利だからだと考えられてきた。しかし、クレイグの研究によれば、単独でも集団でも狩りの成功率はあまり変わらない。また、群れだと大型の獲物を狙えるが、皆で肉を分けあわなければならず、リスクを冒してまでも大きな獲物を狩る必要があるとも考えられる。

ライオンには、よそ者のオスがやってきて群れの子供を殺すという習性がある。ジョナサンは、「子供が殺されるのを防ぐために群れを作る」という可能性も考えるが、群れを作らないヒョウやトラにも同じ習性が見られることから、それはライオンだけが群れで暮らす理由にはならないと話す。
一方クレイグは、ライオンの縄張りに目を向けた。ライオンは縄張りを守るとき、最も団結力を発揮するからだ。クレイグは、28の群れの繁殖率を地図上に表した。すると、川の合流点を中心とした縄張りで暮らす群れの繁殖率が非常に高いことがわかった。川の合流点は1年を通して水や食料が手に入る一等地なのだ。しかし、単独ではその縄張りを守れないため、ライオンは親子で協力して縄張りを守るようになった。それが、群れで暮らす習性を身につけた最大の理由だったのである。

生存の危機
現在、ライオンの数は急激に減少している。動物学者のジョナサン・スコットは、クレイグ・パッカー教授がセレンゲティ国立公園で長年行ってきた科学的調査の結果をふまえて、ライオンが減少している理由に迫る。

ライオンの数が大量に減ってしまう背景には、家族で生活するライオンの社会構造が大きく関係していた。ジョナサンは、今ライオンたちが直面している問題と、ライオンの未来についても考える。1994年、タンザニアにあるセレンゲティ国立公園のライオンにイヌの伝染病ジステンパーが流行し、ライオンが激減した。ハイエナが周辺の村を行き来し、ウイルスを媒介したのだ。ライオンの大量死は2001年にも発生し、“セレンゲティ・ライオン・プロジェクト”を指揮するクレイグ・パッカー教授が調査に乗り出す。すると、ジステンパーの流行は20年間で7回起きていたにもかかわらず、大量死を招いたのは2回だけだったことが判明。調査の結果、どちらも干ばつの末期に起きた流行で、「バベシア」と呼ばれる寄生虫が、ジステンパーで弱っているライオンの命を奪っていたことが分かった。しかも、ライオンは群れ全体で同じ獲物を分かち合うため、群れのライオン全部が一度に感染してしまったのである。

オスのライオンは、特徴的なたてがみを生やしている。なぜライオンのオスだけがたてがみを生やすのか、疑問に思ったクレイグは、ライオンにそっくりな人形を使って実験を行った。その結果、メスは濃い色のたてがみを好むことがわかった。実際に濃い色のたてがみを持つオスは、より強く、長生きする傾向がある。メスは、強い子供を生むために、より強いオスの遺伝子が欲しいのである。またオス同士では、相手がどのぐらい強いかを、たてがみの立派さで判断していることも判明した。
しかし、ライオンのたてがみは、人間のハンターにとって格好のターゲットになってしまう。ライオン狩りは今も広く行われているのだ。ハンターが群れを率いるオスを殺せば、流れ者のオスがその群れを乗っ取り、子供を殺してしまう。子育てをしている間は、メスが発情しないからだ。人間のハンターがライオンのオスを撃つことで、群れ全体に深刻な影響を与えることになるのである。

タンザニアのンゴロンゴロ・クレーターでは、周辺に住む人間が増え、外から新しいオスが入ってこられなくなった。そのため、遺伝子の多様性が失われてしまった。近親交配を繰り返した結果、ンゴロンゴロに住むライオンたちは繁殖能力が落ち、免疫系も弱ってしまった。この問題を解決するには、人の手で群れに新たなオスを放すしかないが、群れはよそ者を嫌うため、そう簡単に実現できることではない。ジョナサンは、「ライオンの最大の敵は、私たち人間なのだ」と語る。


http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/na_61_01.html





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